Googleやピクサーなどのオフィスを見ているとこう思うはずです、「あぁ、こんなおしゃれなところで働きたい…」。ガラス張りの透明感のある部屋にビビットカラーのソファー。どうせ働くなら精巧に作られたオフィスで働いてみたくありません?僕は薄汚いデスクだけがあるようなオフィスでは絶対働きたくありませんね。
おしゃれなオフィスってその場にいるだけで「この場所にいる私って…素敵!」となってモチベーションも高まるものです。じゃあ、そんなデザイン性のあるオフィスを作っているリノベーション会社はどうなんだ?作るだけでオフィスはおしゃれじゃないんじゃないか?となるわけです。
なのでクジラのオフィスがどうなっているのか、社員はオフィスについてどう思っているのか徹底解明していきます!
外から見たオフィス
外から見るとこんな感じです。ううん…昼間だと外からの光が反射してよく分かりませんね… ということで、こちらが夜のクジラオフィスです。
雰囲気が急にぐっとアップしましたね。ここからはオフィスを設計・デザインしたクジラのデザイナー松浦に、ポイントを聞いていきましょう。
清水 外観でここを工夫したってところはありますか?
松浦 ファサード(建築物の正面)の間口が広いから、それを活かせるように一面ガラス張りにしてみた。外から見ても目を引くようにに開放感のあるようにって意味もあるかな。
清水 なるほど!確かに目の前を通る人に結構じろじろ見られてますね… あと少し気になったんですけど、手前にあるやつって何なんですか?
松浦 あー、あれね。あれは腰壁。
清水 腰壁…!?なんのためにあるんですか?
松浦 外から見たときに大体170~175cmの人くらいからデスクが見えないようになってる。壁が低すぎると何やってるかばれるし、高すぎると光を遮って暗くなるからせっかくのガラス張りの意味なくなる、ってことでバランスをとってこの高さにしてみた。
清水 「ばれる」って悪いことしてませんけどね(笑)
エントランス
それでは中に入っていきましょう。
きれいですっきりとしたエントランスになっています。机といすがあるのは賃貸のお客さんを接客するためです。
清水 あれっ、自動ドアの入口部分がスロープになってますね。
松浦 本当は階段にしてもよかったんだけど、車いすのお客さんのためにもスロープにしたほうがいいかなって。
清水 バリアフリーもしっかり意識して作られてたなんて知りませんでした…
メインオフィス
ではでは奥に行ってみましょう。扉を開けると
左側から手前がメインオフィス、奥が会議室になっています。右側は手前から倉庫・キッチン・トイレです。メインオフィスにいざ。
少々散らかっていて申し訳ないです(笑) ここも夜になると
雰囲気がいささかアップします。なんだかおしゃれですが、どうおしゃれなのかわかりません。
清水 ここはどこがポイントなんですか?
松浦 全体としてオフィスっぽくしたくないし、かといってIT系みたいに外した感じにもしたくなくて。それで、薄めのモノトーン系に仕上げることでオフィスっぽくしつつも、ウァームグレイを使っていわゆる「オフィスらしさ」が出ないようにしてみた。
清水 その「ウァームグレイ」ってなんですか?
松浦 普通のグレーはただ黒と白を混ぜただけだけど、これは黄色が混じってて落ち着きのある空間に合う色になってるんだよね。お、あったあった、これがサンプル。
清水 確かにちょっと違いますね。よく分からないけどスタイリッシュです。
松浦 あとこれは裏話なんだけど、本当は壁をタイル張りにしようとしててさ。間接照明がタイルに反射して高級感が出るようにしたかったんだけど、予算がなくて(笑)
清水 ああ…デザインにはお金かかりますよね…
会議室
入口からいい雰囲気が漂ってきます。
ザ・会議室。奥には壁掛けテレビがあり、スライドなど映して共有するために使っていて活躍してくれています。照明は明るさ調整ができて明るさを下げると
社内でラブロマンスが起きそうなロマンチックな会議室に。
清水 明るさ調整ができるようにしたのは何でですか?
松浦 それはいろんなシーンに合わせて使えるようにしたかったから。真剣にがっつり会議したいときには暗め、そうではなくて少し盛り上げて会議したいときなんかは明るめって風にしたらいいかなと。
あと、天井がダウンライトにしたんだけど、これはちょっと前まではテナントや商業施設で使われてたもので、最近家庭でも「商業施設みたいでかっこいい」って使われだして。天井もすっきり見えるしリノベした物件は全部ダウンライトにしてる。
清水 気づいたんですけど、エントランスとキッチンには白い電球、メインオフィスと会議室には黄色がかった電球を使ってあるんですけど何か理由はあるんですか?
松浦 それはお客さんに見せるためにわざと変えてて、「白色(電球色)にするとこんな雰囲気になりますよ」って。いわばオフィス自体が見本になってるって感じ。ちなみに、メインオフィスが電球色なのは社長がそれがいいって言ったから(笑)
清水 そうだったんですか(汗) 雰囲気の違いって実際つけてみないとわからないですもんね。
松浦 実は電球色は鮮明に見えづらいから、オフィスとかには向いてないけど、社長がずっと電球色に慣れてきたから電球色に。白色のほうがこの点で目に優しいとはいえるかも。今のマンションは大体白色と電球色が8:2くらいになってるかな。あともう一つ裏話をすると、会議室にあるイス僕が選んでなくて。
清水 えっ、そうなんですか!?
松浦 あれは知り合いがイスを捨てるかなんかで譲り受けたものでね。その椅子が見事にマッチしてくれたから会議室っぽくなったと思う(笑) なかったらただの「おしゃれ」な部屋になってたかもしれないな。
トイレ
最後にトイレを見てみましょう。ここにもデザイナーの意図が…
間接照明だけでダウンライトを付けていないので、雰囲気のあるトイレになっています。
清水 いつも思ってたんですけど、ここのトイレ雰囲気ありますよねー
松浦 トイレが結構苦労したかも汗 ちょっと狭いからどうにかしないといけないから、何かに気を取らせる必要があって間接照明だけにしてみた。暗かったら後でダウンライトつけたらいいかと。あとは暗いから汚れも目立たなくていいってのもあったかな。
清水 使ってみるとだいぶ狭いんですけど、奥行きがすごいある感じがしてます。
松浦 見かけだけはね(笑)
社員はどう思ってる…?
オフィスは使う人が気持ちよく仕事してなんぼです。ということでデザイナーのいないところで実際どう思っているのか、設計・デザインの小原に聞いてみました。
清水 ぶっちゃけこのオフィスどうですか?
小原 めっちゃおしゃれで気に入ってるよ!一番はやっぱりデザイン性がよくて清潔感があるところかな。一面ガラス張りになってるから日光がはいってきて開放感もあるのがいい。
清水 メインオフィス以外の会議室やトイレはどうですか?
小原 会議室がホテルみたいで使ってて最初ちょっと緊張してたなー。トイレは間接照明があるおかげか狭くなさそうに見える、ただ見えるだけだけどね(笑)
清水 結構満足してるみたいですね。オフィスになんか文句みたいなってありません?
小原 ええ、そんなこと言われてもな… しいて言うならおしゃれだから「いつもきれいにしないと」っていうプレッシャーがあるくらいで(笑)
清水 会社としては最高ですね(笑)
まとめ
ただデザインがいいだけではなくて、いろんなことが考え込まれて作られているオフィスになっているんですね。小さいながらにどう狭く感じさせないか、オフィスっぽくしないでどう働きやすい環境を作るのかなど、デザイナーならではのアイディアが詰め込まれています。
社員も気持ちよくオフィスを使っていて、「きれいにしないといけない」プレッシャー以外は満足しているようです。人数が増えてきたので壁を壊して作り変える案もあるので、今後のクジラオフィスにも注目です。
以上、清水がお伝えしました!